Wednesday, 23 December 2009

診療報酬引き上げに対するコメント

もともと大学病院で働いていた経験のある筆者のため、今回のコメントは、現在の日本の医療システムについて理解している立場からのコメントになることをご理解していただきたいと思います。

今回の診療報酬引き上げは全体的に0.2%ととても低く、過去10年で7%も下がっていたことと比較すると、限りなく「0」に近いもので、ただ単に民主党が医師会からの献金目当てに体裁を繕っただけのような気がします。また、診療報酬は病院全体の収入に比例するものなので、すぐに医師・看護師等の医療従事者の給料が上がるわけではなく、赤字病院の減少や設備投資が最初に起こるものと予想しています。その他、救命救急・外科・婦人科・小児科に対する配慮がまだまだ足りていないなど、多くの課題が残っています。残念ながら、このボランティア的な日本の医療の現状を変えるのは、まだまだ時間がかかりそうです。

以下は、Yahoo Japanの「診療報酬引き上げ」に対するコメント抜粋です。医療従事者の一人として、過去に頑張っていたことを誇りにしたいと思います。

WHO2005年の報告で日本の医療の質は世界一、コストは対GDP比でOECD加盟国で日本は世界で22番目、ちなみに後ろはスロバキア、ハンガリーなどが続きます。もちろん平均以下・・・

外来受診1人1回当りの平均医療費は日本9000円(3割負担だと2700円の支払い)に対し、アメリカ6万円、北欧9万円程度になります。他の先進国の10分の1程の値段で病気治して、儲かるわけないでしょ。

これまでの日本の医療に対する値段が格安すぎたんですよ。少なくとも他の先進国ではありえないくらいに。

医療機器は何千万・何億と金食うし、患者は医療従事者に対してはなぜかボランティア性とかを求めるし。医療従事者は医療費を払わない人、理不尽な要求ばかりする人などでも、倫理観から断れないだけで何してもいいわけではない。赤字経営で大変な病院がたくさんあるのに、医療従事者が儲けすぎみたいな酷い偏見はやめて欲しい。etc...

「医は仁術」これを利用して、政府が極端に医療費を抑えたことが現在の医療崩壊を作り、豊かになりすぎた日本が我慢できない人たち(モンスターペイシェント)を生んでしまったと思います。医療も欧米のようにビジネスができて、医療費を独自に設定できること(自由診療 or 上げること)ができれば「命の値段」に対する考え方が変わるはずです。先人達の「ツケ」を払う世代として、まったくもってUnfairと感じます。

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